2024/03/01 00:51

canon 中野紘子さんの特別な糸で編んだものについて、記録しておきます。自分のための備忘録も兼ねて。


中野さんの手仕事の糸の魅力については、こちらに書いています

https://www.littlemiss-atelier.com/blog/2024/02/29/162344




 zabuton /座布団 


一針ずつこつこつ編んだ小さな敷物、zabuton


サイズ的にはコースターだけれど、繊細な絹糸であることと草木染めであることを考えると、コースターとしての使用はお勧めできません。水濡れが得意ではないからです。


それが伝わればという思いがあり、

zabuton(座布団)と名付けました。


一方で、中綿を入れてふっくらと仕上げていたり、実際に座布団カバーとして用いられることが多い編み地だったりすることもあり、ぴったりの名前だと思っています。


小さなオブジェや一輪挿し用のお座布団として、手仕事の糸の色や太さのゆらぎ、編み地の違いや強弱、光の角度によって生まれる様々な表情をお楽しみいただきたいと思います。


余談ですが、本当は”小座布団”の方が可愛らしいかなと思ったのですが、いつか大きいのを編むときがあるかもしれないと思ったので zabuton にしておきました。


糸のゆらぎが自然に作る表情や、手染めの草木染めによる色の微細な変化を楽しめる、シンプルな細編みの円。Littlemissを始める前、その後も、手慣らしとしてよく編んでいる大きな円を、おめかししてお届けしてみることにしました。 


リネン生地の裏側のステッチも実はお気に入り。編んだ方が表なことは間違い無いのだけど、時々裏返して使っていただいくのもいいかもと思って、縁を少し編み足しました。縁は少し丸まるようになっていますが、平らにしたい場合は、当て布をしてアイロン(低温)を。





こちらも細編みの円ですが、増し目の位置のずらし方を変えることによって形と模様がほんの少し変化します。角ありと角なし。糸そのままの表情も楽しめるよう、縁は玉編みに。




こちらは中綿がないタイプ、polygonの特大サイズです。polygonの編み地は毛糸の座布団カバーによく用いられる、かぎ針の基本的なモチーフのひとつです。そんな定番のモチーフも、糸が変われば全く違う表情を見せます。


ぎゅっと糸が集まる部分、ふわっと重なる部分、それぞれの輝き方や色の重なりが楽しめるこの編み方は、細編みのzabutonとはまた異なる佇まい。裏表を同じ透かし模様で編んでいるので、吊るすなどして光を通して飾る楽しみ方もお勧めしたいです。


太さの強弱もチャームポイントとしてそのままに。単調になりすぎないことに魅力を感じました。






itoha / 糸端 クッション巾着


製作過程で出た糸の切れ端を底材の中綿として詰め、

手のひらにすっぽり収まってしまうサイズのちいさな巾着を編みました。


数ミリの短さになってもなお感じる、

手仕事の糸の優しさや絹の艶。

素材を大切にしたい想いを込めたひと品です。



桜色の糸では、毎年たくさんタッセルの耳飾りやブローチをお届けしてきました。でも本当は、はさみを入れなければならない場面がくる度に、一瞬ためらってしまうくらいの美しい糸です。切りそろえるために出る短い糸の端っこたちを、私はずっと捨てられずに集めていました。いつか何かにできるかも、活かしたいと。


その一つの答えとして、ちいさな巾着を編みました。糸端を詰めたクッションが底材になっています。



糸端を包んでいるのは、薄く透けるシルクオーガンジー。巾着の外からも中からも見える様にしています。数センチ、数ミリになってもなお輝きを失わない、中野さんの座繰り糸。また違う角度から見て楽しんでいただけたなら、これほど嬉しいことはありません。



この大きさで何が入るんだか、耐久性はあまり高くないし、実用性を深く考えず作りました。コロンとした愛らしさのあるフォルムです。入れるとしたら小さな指輪や石くらいだろうか。使えないことはないのですが、主に鑑賞用として眺めて楽しんでいただけたらと考えています。






 tassel / polygon 耳飾り 


耳飾りは、おなじみの桜色を中心に、様々な糸を使って編みました。


いつも思うことは、糸そのままの部分も感じていただきたいということ。そうすると自然とタッセルに行き着きます。加えて今回はpolygonも編んでみました。透かしが入るpolygonなら、光を受けて輝くはずと思ったからです。


端材としていただいた糸なので、色はもちろん、太さや硬さの違う糸。それぞれ長さも違います。短い場合は小さめにしたり、左右の違うアシンメトリーのペアにして組み合わせたりしながら、なるべく無駄が出ない様に編み進めました。


普段ならきっちり揃えたくなる私ですが、いつもより少し自由に。心が弾むような感覚をくれる綺麗な色たちのチカラ、きっとご覧になるだけでも楽しんでいただけると思います。